登録NO 040821

複合汚染　上下
有吉佐和子

新潮社 昭和50.6-8:重
四六判。下巻わずかにスレのほか経年並。
〔版元品切取寄不可=文庫本有〕 

\1,200

　昭和49年7月7日に投票が行われた総選挙で、市川房枝は全国区の
２位当選。作家、有吉佐和子は選挙期間中、応援支持活動に奔走。
その模様を横軸に書き込みながら、同年の１０月から「朝日新聞」
に連載して大きな反響を呼んだ小説。
　小説というよりドキュメントタッチで、多くのデータ、資料を土
台に、学者などのサポートを得ながら、環境の”複合汚染”を小説
家の鋭い感性で解き明かしていく。
　排気ガスで汚れる空気、工場排水で滅びる川、化学肥料と除草剤
で死んでいく土。さらに食品にふりかけられている防腐剤・着色料
…。毒性物質の複合による影響は、まだ科学によって解明できてい
ない。そしてそれらは食物を通してわれわれの口の中へ入っていく。
　有吉佐和子が突きつけた問題は、二十数年経た現在、改善の方向
にあるのでしょうか。